バージョンの種類と使い分け
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バージョンは通常、次のように数値とピリオドを用いて記載します。Mavenでもこの方法に従います。 ピリオドはいくつでも使うことができますが、特に書式にこだわりがない場合、に従い左から順にメジャー・マイナー・パッチとしておくとよいでしょう。
1.0
1.2.3
メジャーバージョンは機能に大きな変更があった場合、マイナーバージョンは後方互換性を保つ変更があった場合、パッチバージョンはバグ修正が行われた場合に大きくなります。 これらの数値は 1.10.12
のように2桁以上になることも可能です。
もし多くの人に使ってほしい安定版を公開するなら、安定バージョンの公開を検討しましょう。 後述するmaven-release-plugin
を使えば、安定バージョンが満たすべき条件を自動的に検証してくれます。
安定バージョンとは、前述のように数値とピリオドだけで構成されたものです。 反面、実装やインタフェースが安定しない開発途上のものを公開するなら、修飾子を用いて安定版でないことを明示するとよいでしょう。
もっとも代表的な修飾子が SNAPSHOT修飾子 です。
バージョンにSNAPSHOT修飾子を含めることで、使い手とMavenに対して安定版ではないことを伝えることができます。 修飾子は次のように、半角ダッシュを使ってバージョン番号の後ろに付記します。 大文字でも小文字でも構いませんが、慣習として大文字を使用することが多いようです。
1.2.3-SNAPSHOT
1.0-snapshot
artifactは通常1バージョンにつき1度しかdeployできませんが、SNAPSHOT修飾子を利用したバージョンは同じバージョンで何度も異なるartifactをデプロイできます。 これにより、利用者に対して 常に最新の開発版を提供できます 。
Maven3は他にもバージョンに特別な意味を持たせるための修飾子を提供しています。 修飾子を不安定な順(古い順)に並べると、次のとおりです。 RCはリリース候補(Release Candidate)、SPはサービスパック(Service Pack)の略です。
alpha
(短縮表記として a
を利用可能)
beta
(短縮表記として b
を利用可能)
milestone
(短縮表記として m
を利用可能)
rc
or cr
snapshot
(前述)
ga
or final
(修飾子なしと同様)
sp
たとえばバージョン 1.2.3
の開発過程において、次の順で修飾子を利用できます。
1.2.3-alpha1
, 1.2.3-alpha2
, ... (1.2.3
のアルファ版)
1.2.3-beta1
, 1.2.3-beta2
, ... (1.2.3
のベータ版)
1.2.3-m1
, 1.2.3-m2
, ... (1.2.3
のマイルストーン版)
1.2.3-rc1
, 1.2.3-rc2
, ... (1.2.3
のリリース候補版)
1.2.3-SNAPSHOT
(1.2.3
の最新開発中バージョン)
1.2.3
(1.2.3
安定版)
1.2.3-sp1
, 1.2.3-sp2
, ... (1.2.3
バグ修正版)
修飾子を活用している事例としては、がわかりやすいでしょう。 バージョンアップではALPHA, BETA, CRとFINAL修飾子を用いたリリースを、バグ修正ではパッチバージョンやを行っています。
このページで紹介している命名方法を利用している限り、この違いを意識する必要はありません。 興味のある方はをご覧ください。